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ダイオゼニス

下村観山

下村観山展に展示される下村観山の作品「ダイオゼニス」は、1903年(明治36年)に制作され、現在は東京国立近代美術館に所蔵されています。

この作品は、絹本に彩色が施された軸装の日本画で、サイズは縦121.6cm、横50.3cmです。1903年に開催された第15回日本絵画協会・第10回日本美術院連合絵画共進会に出品されました。

下村観山は、明治から昭和初期にかけて活躍した日本画家で、能楽師の家に生まれました。東京美術学校(現・東京藝術大学)の第一期生として日本画を学び、校長の岡倉天心とともに日本美術院の設立に参加し、横山大観や菱田春草らとともに近代日本画の革新に貢献しました。日本の伝統絵画である狩野派、やまと絵、琳派に加え、西洋の色彩表現も積極的に取り入れ、新しい日本画の道を切り拓いた画家として知られています。

「ダイオゼニス」は、観山が文部省留学生として渡英する1903年2月21日以前、または同年12月10日の帰国直後に制作されたと考えられます。作品名が示す通り、古代ギリシャの哲学者ディオゲネスを主題としていると推測され、観山の幅広い知識と西洋文化への関心がうかがえます。

「ダイオゼニス」が具体的にどのような背景や意図で制作され、当時の画壇でどのような評価を受けたか、また後世にどのような影響を与えたかについては、詳細な記述は現在のところ確認されていません。しかし、この作品は観山が西洋の文化や思想を取り入れながら、日本画の新しい表現を模索していた時期の重要な作品の一つとして位置づけられます。